2010年5月23日日曜日

清川虹子さん死去、89歳

清川虹子(本名:関口はな)さんが24日午後3時37分、肺出血のため、川崎市内の病院でなくなられたのである。

まあ、清川さんといえば、喜劇はもちろん、独特の汚れ役の演技で定評があり、あたしのもっとも好きな邦画のひとつである「復讐するは我にあり」は何度見たかわからないのであるが、その中で清川さんが階段下からあらわれるシーンは今村昌平監督の演出と相まって、何度見てもドキリとするのであ。

まあ、その後のカンヌのパルムドール受賞の「楢山節考」の演技といい、なくてはならない貴重な女優であったわけであるが、清川さんの役は清川さん以外では演じられないというのか、あの晩年の演技の、場末の人間の汚れ感を出せる女優はもう出てこないと思うのである。

しかし、晩年にはくだんの汚れ役でそのイメージを彷彿とされるのであるが、清川さんは元来は、喜劇女優としては、お色気満点のいい女という役どころで、その女性的魅力で、数々の恋愛遍歴が有名で、結婚は4度で、なにしろ「恋多き女」なんていわれたぐらいで、あの名優マーロン・ブランドとも共演をきっかけにその魅力でとりこにしたそうである。

まあ、イケメン男優と美人女優ばかりの映画ってのは、べつにおもしろくもなんともなくて、やっぱり、容姿の面で多少ハンデがあるぐらいの役者を集めた方が、演技に工夫があって、おもしろくなるのである。

イケメンと美人女優はとくに工夫をしなくても、そのままでも相手にされて、大根でも主役になれるわけであるが、容姿が一段落ちると、脇役になるのも大変であるのである。

そこから、役をつかむには役者としての演技の才能とさらにものすごい工夫が必要であるわけである。

清川さんはそこのところを、「喜劇女優」という工夫でトップの座をつかみ、さらに演技力が満ちて、晩年の誰にもできない、独特の汚れ役の名演技に繋がるわけである。

謹んでご冥福をお祈り申し上げたい。